こんばんは。きなこ屋です。
アゼン以上に踏み込むなら必須中の必須、1の手筋をまとめます。
概要
難易度 :★★★★☆
使用頻度:★★★★☆
「1の手筋」は、数字1の周囲に何らかの物体(黒マス・三角など)が特定の向きで存在するとき、その反対側に白マスや三角形が出現するというものです。図1は基本形の1つですが、実際に適用可能な状況は広く多岐にわたります。
1の上下左右4マスのうち、例えば図2のように三角形が入る1マスが確定している場合は、素朴に解決できます(→L字禁)。この手筋は4マスのうち何処に入るか不明であるが入らない場所が確定するのが特徴です。その意味では「4マスのうち1箇所に三角形を入れる仮置き」を簡略化したものであるとも表現できます。
由来
K.N.Y氏のhttps://puzsq.logicpuzzle.app/puzzle/443は、Puzzle Square JPに投稿されたシャカシャカのうち、明示的に1の手筋を必要とする最初の作品です。
アゼン以上の問題で頻繁に使用されますが、それ以下の問題でもしばしば有用です。
特徴
動作原理は次のようになっています。
図3上段・中段のように、1の右や下に(向きを問わず)三角形をくっつけると、1の上と左が白マスになります。L字禁により、いずれも1の左上に三角形が生じます。
この対偶をとって、1の左上に三角形を配置すると破綻するのならば、1の右と下は白マスになります。ついでにL字禁により右下に三角形が置かれます。
結果として、「1の角に三角形が置けない→反対の角に三角形ができる」となります。
以下に適用可能な例を列挙します。
孤立した(周囲8マスに他の黒マスがない)1の場合、黒マス・白マスのいずれかが図4の緑の領域に存在するならば、その反対側に白マス2つ(に伴って三角形)が生じます。
黒マス・白マスだけでなく三角形の背面が壁をなしている場合にも適用可能です。また、図6左の下から3,4番目のようにやや遠い位置からでも、筋違い禁によって決まることがあります。
図7のように1が辺上にある場合も適用可能ですが、白マスが1箇所決まるのみに留まります。
孤立していない1の場合は注意が必要です。図8上段の位置関係では1の手筋が適用できて白マスが1箇所決まりますが、中段の場合は特に決められません。下段の場合も確かに左上に三角形は置けませんが適用不可です。実際に右や下に三角形を仮置きすると確実です。
応用
<L字禁との複合>
角に三角形を配置して破綻するならば、方法を問わず適用可能です。特に×印との相性は抜群です。
<1の手筋の連鎖>
3マスおいて1が並んでいる場合、図10のように1の手筋が連鎖して繋がっていきます。
<1の手筋 2ver.>
1の手筋は、1だけでなく2でも使えることがあります。
図11では2の左上に三角形を置くことができませんので、2の右と下に両方とも三角形が入ることはありません。2の下は既に三角形が入ることが確定していますので、2の右は白マスになると分かります。
類題
・1の方向を考えると。
・壁に埋まった1の手筋。