こんばんは。きなこ屋です。
数年前のこと、数あるシャカシャカの変種を列挙した記事を書き、某所に投稿しました。
時は経ち、シャカシャカの研究は進み、更なる変種が開発されてきました。
いま改めて一堂に会した変種たちを眺めてみましょう。各種2問ずつ新作問題を付けましたので、お試しください。
例によって、出典は主にPuzzle Square JPで最も投稿日時が古いものを挙げております。また、よく似た変種についても独断で分類の上参照しております。
【A】 全体制約系
バニラのシャカシャカに追加の制約を課す変種たちです。
(1) 正方形限定
最もオーソドックスな変種です。白長方形は全て正方形になります。はじめて変種に触れるならば最もおすすめです。
出典(K.N.Y.様)
(2) 正方形禁止
(1)正方形限定とは逆に、正方形でない長方形だけが入ります。一辺1や√2の正方形が使えないため、作問が少し難し目です。
出典(K.N.Y.様)
(3) 45°限定
直立長方形は使用できません。全ての角に三角形を入れていくだけで流れるように確定していく、解き心地の良いルールです。
出典(saki様)
(4) 7638
パズル界でお馴染み、7638趣向です。斜め長方形は必然的に面積6か8に限られます。最強の制約です。
出典(すいそ様)
(5) 均一
全ての白長方形の面積は等しくなります。最初に面積を特定するのが肝心です。
出典(locker様)
(6) 相似
全ての白長方形は相似になります。最初に縦横比を特定するのが肝要です。1:1、1:2、1:3くらいの縦横比であれば自然な盤面が作れますが、2:3などになると一気に作問が難しくなります。
出典(locker様)
(7) 独身
合同な白長方形は二度と使用できません。大域的な制約であり、盤面サイズが実質的に制約されます。
出典(あせろら様)
(8) 十字禁止
直立長方形同士が角で接してはいけません。斜め長方形も同様です。
直立長方形と斜め長方形が接する分には問題ありません。
出典(K.N.Y.様)
(9) 面積2禁止
通常の問題なら必須とも言える面積2の領域が、白黒ともに存在できません。
黒領域に制約をかける変種は珍しいです。
出典(mudo様)
(10) 接触禁止
三角形同士が辺で接することはなくなります。これまた強力な制約です。
出典(saki様)
(11) 非互換
面積が等しい直立長方形と斜め長方形は角で接しません。うっかりを起こしやすいルールになっています。
出典(anurag様)
(12) 重力
黒マスや外壁から遊離した黒領域が出来てはいけません。
たいへん独特な挙動を見せます。
出典(きなこ屋)
出典2(locker様)...黒領域は全てひとつながり
(13) 不動
白長方形を縦横に移動できない形にする必要があります。
黒マスの周囲で特に破綻しやすいです。
出典(きなこ屋)
【B】領域変更系
白領域の形状を変更する変種たちです。
(14) 八角形
四角形の代わりに八角形を使います。特例として1×1正方形も許されます。
盤面が大きくなりがちですが、特有の手筋が眠っています。
出典(きなこ屋)
(15) 矢印
四角形の代わりに「矢印」を用います。変種の最・最難関です。
矢印とは、直角三角形の斜辺の中央に、より細い一定の幅の長方形が分岐することなく繋がったものを指します。詳細は図をご参照ください。
出典(ゲッソー様)...矢印は直立のみ、棒部分は真っ直ぐのみ
出典4(かんれいと様)...代わりにツリー型を用いる
(16) ハート
四角形の代わりに、正方形の1角から正方形を除いた形、ハート型を用います。
例によって1×1正方形も許されます。
出典(もや様)
出典2(PinkHoodie様)...「長方形の1角から単位正方形を除いた形」ver.
【C】数字系
バニラと異なる性質の数字を有する変種たちです。
(17) 覆面
大事な数字たちが覆面を被っています。0~4の組み合わせを特定するところから始まります。ここでは、「黒マスの数字がある法則に従って伏せられている」という広い定義で、いくつかの作品を出典に挙げさせていただきます。
出典(saki様)...0~4がちょうど1つずつ
出典2(PinkHoodie様)...全ての数字が同じ
出典3(PinkHoodie様)...0~4に加え、Irrwisch(マス毎に値が異なる記号)を導入
出典4(きなこ屋)
(18) 嘘つき
大事な数字たちが嘘をついています。頑張って候補を2択まで絞りましょう。
出典(homerest様)...数字が本来の値と1だけ異なる(Off-By-One)
出典2(K.N.Y.様)
出典3(まどれ〜ぬ様)...嘘つきは1マスのみ
(19) 偶奇
数字が偶奇しか示してくれません。自由度が2~3倍です。
出典(locker様)
(20) 八方
数字がマインスイーパ方式に周囲8マスを参照します。数字がとても頼りなくなります。
出典:オリジナル
(21) 斜め
数字が斜め4マスを参照します。通常のヒントの強さを実感させられます。
出典(locker様)
(22) Tapa-like
名作パズル、Tapaと同様のヒント方式になります。数字は周囲8マスを見ますが、数字1つにつき三角形がその数だけ連続して入ります。八方とは対照的に頼り甲斐のある強力なヒントになっています。
出典(homerest様)
(23) 面積
丸数字は、それが含まれる白長方形の面積を表します。奇数がとても優秀です。
出典(saki様)
(24) 黒面積
逆に数字が黒領域の面積を表します。黒領域に注目する変種はやはり稀です。
出典(きなこ屋)
(25) 隣接面積
数字は縦横に隣接する長方形(つまり直立長方形のみ)の面積の合計を表します。
出典(三価スニウム様)
【D】黒マス系
黒マスの性質を変更する変種たちです。
(26) バンドル
黒マスの塊ごとに隣接する三角形の数をチェックします。なお2辺で接しても1個と数えます。
出典(鳳様)
(27) 透過
数字が表すものは同じまま、数字から黒マスが取り除かれています。数字のマスにも三角形を入れられますが、そのマス自身は数えません。
出典(きなこ屋)
(28) 断片
三角形自体がヒントとして与えられています。特筆すべき点として、与えられた三角形にくっつけて三角形を置くことで黒マスにすることができるのです。こうすると数字にもカウントされなくなります。
数字の意味は(27)透過と同じです。
出典(きなこ屋)
(29) 配置
指定された黒マスを盤面の何処かに配置して解きます。上手く置かないと解無しになります。
出典(鳳様)
【E】記号系
ヒントとなる記号を追加する変種たちです。
(30) 半月
全ての「月」のちょうど半分を隠しましょう。イチオシの変種です。
出典(うまや天国様)
(31) 境界
線を白と黒の境界線にしましょう。言い換えれば、解答盤面で目を細めたときに線がよく見えてはいけないということです。
出典(もや(新)様)
(32) 重心
点が四角形の重心になるようにしましょう。見た目よりずっと簡単です。
出典(きなこ屋)
(33) TX
その列でT(直立)とX(斜め)のどちらが多いかを示してくれます。LIX loopに影響を受けて作られました。
出典(きなこ屋)
【F】特殊系・その他
盤面の大規模な変更やフュージョンなど、抜群に特異な変種たちです。
(34) トーラス
盤面がトーラス状になります。盤面外に反対側を書き足して乗り切りましょう。隅近辺が特に困難です。
出典(うりよしきば様)
(35) 結合
大きな白マスが現れます。黒マスを用いて大きな三角形を描きましょう。
出典(locker様)
(36) シャリザーリンク
スリザーリンクとの合成パズル。線が三角や黒マスに触れないようにして、2種のパズルを同時に解きましょう。
出典(きなこ屋)
(37) プリズム
パイプリンク系との合成パズル。線が曲がるためには三角形の斜辺が必要です。しかしながら三角形の斜辺で必ず曲がるわけではないのもお悩みポイント。
出典(きなこ屋)
(38) シャカジリンα
ヤジリンを参考にした変種。矢印が付いた数字は、その方向の三角形の数を表します。
出典(locker様)
(39) シャカジリンβ
ヤジリンを参考にした変種、その2にして進化形。三角形の数に代えて、矢印の方向にある白長方形の数を表示しています。こちらは幾分テクニカル。
出典(locker様)
(40) ヘルゴルフ
ヘルゴルフとの合成パズル。黒マスをヘルゴルフ様に動かし、シャカシャカとして解ける盤面にしましょう。数字の動きがトリッキーで、上級者向けです。
出典(きなこ屋)
(41) 推理クロス
最早シャカシャカではない何か。ヒントに従って解答盤面を完成させましょう。
出典(きなこ屋)
(42) 逆シャカ
四角形も直角も無し、最早シャカシャカの対極に位置するパズルです。ヒント様式は(30)半月のそれに沿っています。
出典(きなこ屋)
(43) 部屋シャカ
塗られずに残った領域が部屋毎に見ても長方形になる変種です。形の手筋がものを言います。
出典(locker様)
(44) イラスト
ラスボスはイラスト系。(43)部屋シャカと似ていますが、こちらは長方形か否かを領域毎にしかチェックしません。単純に見えますが、斜線の兼ね合いから超難問を生み出すポテンシャルを秘めています。
出典(CW-MV様)
以上44の変種のご紹介でした。
未だ紹介しきれないほどに、変種の開発が進んでいます。
これからも面白い変種が生まれますように。